ローマ人の物語(新潮文庫刊) by 塩野 七生請求記号: SS@232@S1@3-1, SS@232@S1@3-2
ISBN: 4101181519, 4101181527
発行年: 2002/6/1
古代ローマの誕生からローマ帝国の滅亡までを描く歴史絵巻。膨大な一次資料に依拠しつつ、歴史学者とは異なる闊達な推論を盛り込んだ労作です。推論部分はそれと分かるので時代小説ではなく、あくまでも歴史小説です(念のため)。古代ローマの成立、スキピオ・アフリカヌスとカルタゴの将軍ハンニバルの血湧き肉躍る闘い、超絶的スケールの計画者ユリウス・カエサルの見果てぬ夢、見事な都市計画、キリスト教の勝利とローマ文化の破壊……興味が尽きません。
本書には歴史学・政治学・地政学・宗教学・都市計画・インフラストラクチャー論・リスク管理論など多くの分野の副読本としての価値もあります。昨今の政治評論家が書き散らす本100冊よりも、多くの洞察を与えてくれるでしょう。ヒト・モノ・おカネ・情報に関する深い理解を身につけるべき知識人(予備軍)に好適な書物です。コラム掲載号:
理工学メディアセンターニュース213号(2018年7月)