Skip to Main Content
理工学メディアセンター
Media Center for Science and Technology
Keio University Libraries
Research NAVI
理工学メディアセンター
私の一冊
私の一冊
このガイド内を検索する / Search this Guide
検索
私の一冊
理工学部の先生から学生の皆さんにお薦めしたい本と理工学メディアセンターニュースに寄稿いただいた紹介コラムです。師であると同時に人生の先輩でもある先生方に、若い頃に感銘を受けた本、今気になっている本、研究に役立つ本等々、専門分野にこだわらず広い分野の中から「私の一冊」をご紹介いただきます。この「一冊」が新しい世界の扉を開いてくれるかもしれません。 どうぞご覧ください。
私の一冊
大澤友紀子先生(物理情報工学科)の一冊
古川俊輔先生(物理学科)の一冊
小川恵美悠先生(電気情報工学科)の一冊
松田英子先生(システムデザイン工学科)の一冊
2024年度
2023年度
2022年度
2021年度
2020年度
2019年度
2018年度
2017年度
2016年度
2015年度
発行
慶應義塾大学
理工学メディアセンター
〒223-8522 横浜市港北区日吉3-14-1
TEL:
045-566-1477(内線40307)
email:
関連リンク:
ホームページ
Twitter
大澤友紀子先生(物理情報工学科)の一冊
素人のように考え、玄人として実行する : 問題解決のメタ技術(PHP文庫)
by
金出武雄
請求記号: SB@141@K7@1
ISBN: 4569662870
発行年: 2004.11
本書は研究活動に必要な問題解決能力、人との対話の在り方、読者を惹きつける論文構成や英語上達のコツなど、まさに研究者を志す者が知っておくべき金出先生の教えが満載です。特に「アイデアは人に伝え、わかってもらえなければアイデアではない」という言葉は、学生時代の私に突き刺さったのを今でも覚えています。また研究で感じる不安感は感じるべくして感じるものであり、それを乗り越えた達成感とのコンビネーションが、根気強く研究を続けるための「知的体力の土台」となることが述べられており、大変励まされる一冊です。既に有名な本ではありますが、より多くの学生に読んでいただきたく、改めて取り上げさせていただきました。これから研究活動に取り組む、また取り組んでいる学生は、ぜひご一読ください。
コラム掲載号:
理工学メディアセンターニュース264号(2025年7月)
古川俊輔先生(物理学科)の一冊
カオスから見た時間の矢 : 時間を逆にたどる自然現象はなぜ見られないか(ブルーバックス)
by
田崎秀一
請求記号: SB@408@B2@1287
ISBN: 9784062572873
発行年: 2000.4
高校物理で私が感銘を受けたものの一つが気体分子運動論でした。気体のマクロな法則が、分子の従うミクロな力学から導けることに強い印象を受けました。本書の主題も、まさにその延長線上にあります。ミクロな力学は時間を逆にしても成り立つのに、なぜマクロな世界では「覆水盆に返らず」のような不可逆性が現れるのでしょうか。本書では、ミクロな力学がカオス的であれば、多粒子系の状態分布(「雲」)が不可逆的に変化し得ると説きます。雲がパイ生地のように引き延ばされ、折りたたまれることで熱平衡化や拡散現象が説明されるという、著者自身も関わってきた斬新なアイディアが紹介されます。日常の背後にある難問に挑む物理学者の歩みを、豊富な図解とともにじっくりと学べる一冊です。
コラム掲載号:
理工学メディアセンターニュース263号(2025年6月)
小川恵美悠先生(電気情報工学科)の一冊
嫌われる勇気 : 自己啓発の源流「アドラー」の教え
by
岸見一郎, 古賀史健
請求記号: SS@146@K2@1
ISBN: 9784478025819
発行年: 2013.12
理工学研究の世界では、原因が結果を導くという因果的思考が基盤であり、私たちは日頃から当たり前のように慣れ親しんでいます。これに対し、本書で紹介されるアドラー心理学では、過去が今の自分を決定するのではなく、今の自分がどうありたいかによって行動を決定する、という目的論的立場をとります。仏教の「川の流れ」の比喩では、たとえ上流で複雑な流れがあっても、目の前を流れる水には今この瞬間に手を入れ、流れを変えることができると説明されています。つまり、過去がどうであれ、私たちは今の行動によって未来を選び取ることができるのです。人は過去に縛られず、「今ここ」に生きることで自由になれるというアドラーの思想は、理工系の学生にとっても新たな視点を与えてくれるのではないでしょうか。
コラム掲載号:
理工学メディアセンターニュース262号(2025年5月)
松田英子先生(システムデザイン工学科)の一冊
デカルトからベイトソンへ : 世界の再魔術化
by
モリス・バーマン
請求記号: 402@B79@1
ISBN: 9784163910215
発行年: 2019.7
昔、世界は魔法で満ちていました。たとえば虹は、天界への入口など神秘的な存在でした。世界は人間の精神とつながっていたのです。しかし近代科学の誕生によって、世界と人間とが切り離された結果、虹は単なる屈折現象として説明され、私達と世界とのつながり―魔法―が失われていきました。「デカルトからベイトソンへ―世界の再魔術化」では、人間の精神が世界との「関係性」に宿り、切り離すことはできないと提唱したベイトソンの身体的・全体論的科学について論じたものです。私は研究者として、共感覚、夢、ファンタジーなど、近代科学の範疇にはなりえなかった魔法のような現象を扱っています。柴田元幸さんの素敵な翻訳で科学と魔法の世界にいざなわれ、理と工を超え、わたしたちの理工学部に魔法を見出しませんか?
コラム掲載号:
理工学メディアセンターニュース261号(2025年4月)
慶應義塾大学 理工学メディアセンター レファレンス担当
TEL: 045-566-1477 email: mc-rik-ref@adst.keio.ac.jp
Website:
https://www.lib.keio.ac.jp/scitech/