事物の本性について―宇宙論(世界古典文学全集 21) by ルクレティウス著 ; 泉井久之助〔ほか〕訳請求記号: B@908@Se9@1-21
ルクレティウスは2100年も前の詩人ですが、原子論を詩で書いた空前絶後の傑作です。彼はその中で「質量保存の法則」や「エネルギー保存の法則」のほか、細菌や遺伝、進化論に至るまで様々な科学事象を予言しています。しかし、単なる科学書ではなく、みずみずしい詩的作品であるところが空前絶後なのです。生物が「生まれ出る」ことを、「光の聖なる岸辺に現われ出る」といった感じです。彼の写本が1417年に発見され、これを境にして世界が変わります。実は世界史の真の転換点は高校の教科書で習う世界史とは違って、1417年なのです。すなわち、科学のものの見方が到来し、科学的な世界観へと世界は脱皮します。今があるのは、ルクレティウスのお陰と言っても過言ではありません。