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慶應

日吉メディアセンター(日吉図書館)
Hiyoshi Media Center (Hiyoshi Library)

教員のオススメ本

日吉図書館で、毎年春に新入生に向けた教員のオススメ本を展示しています。ぜひご覧ください。

岩波敦子先生のオススメ本

1)自己紹介
日吉では共通科目の歴史を担当しています。
2)専門・研究分野
ヨーロッパ中世史
3)どんな学生でしたか
自分がやりたいことは何なのか、心と身体で模索していた4年間でした。学内より学外で活動していることが多かったですが、友達との大事な待ち合わせ場所でもある図書館は、いつもキャンパスライフの中心でした。空いている時間は書棚を眺めながら何か知的好奇心を刺激される本はないか、今でいうブラウジングをリアルな身体でやってましたね。
それから一人で過ごす時間を大切にしていました。映画、美術館や博物館、デパートで行なわれる展覧会などもよく一人で行っていましたし、 自分の興味関心の赴くまま行動していました。知的刺激を求める心の旅はキャンパスからはみ出て神田の古書店街など暇を見つけてはいろいろな街をぶらぶら散策していました。
4)休日の過ごし方
なかなか自分の時間がとれないのですが、週に一度はなるべく思いっきり運動するようにしています。
5)塾生に一言
大学時代を振り返って後の人生に影響を与えたのは授業で学んだ知識ではなくて、自分の身体と心で体感した経験だったように思います。明確な目標を持った友人たちに出会うと自信を失ってしまいがちですが、他人の意見に左右されず、自分の感性を信じ、自分だけの道を見つけてください。

下村裕先生のオススメ本

1)自己紹介
慶應義塾大学法学部に物理学の教員として勤め始めてから28年が経ちました。現在の担当科目は「物理学I,II(実験を含む)」と「自然科学研究会III,IV」です。2006年から2012年まで慶應義塾志木高等学校校長を兼任しました。
2)専門・研究分野
物理学を研究しています。テーブルに置いたゆで卵を速く回すと立ち上がるのですが、その運動の説明は簡単でなく、ケンブリッジ大学に研究留学していた2002年に世界で初めて解明できました。今もそんな身近な力学現象を研究しています。
3)どんな学生でしたか
比較的真面目な学生だったと思いますが、学業の成績はよくありませんでした。大学1,2年生の頃は、サッカーやダイビングのサークルを楽しみました。バイトは家庭教師や塾講師以外に、企業間の郵便を運ぶ仕事もやりました。数千万円の小切手を運んだときは、とても緊張した覚えがあります。
4)休日の過ごし方
最近は犬の散歩やショッピングをするくらいで、たいがいはのんびり過ごしています。たまに、映画を観に行ったり、我流でレザークラフトに熱中したりします。
5)塾生に一言
大いに学び、深く考え、様々な人々と交流して活動し、充実した楽しい学生時代を過ごしてください。

藤谷道夫先生のオススメ本

藤谷先生写真  1)自己紹介
文学部でイタリア語(時に、ラテン語)とイタリア文学を教えています。外では朝日カルチャーセンター(新宿、横浜、立川)でダンテの『神曲』を講義しています。
2)専門・研究分野
ラテン文学(西洋古典学)とダンテ(中世ヨーロッパ文学)が専門です。文学だけでなく、古代から中世にかけての自然科学や哲学・神学、神話も併せて研究しています。
3)どんな学生でしたか
小学生の時は、先生の話を聞かないで、空想にばかり耽っている子供でした。そのため、通知表は5段階の2ばかりで、親から「アヒルの行列(2222…)」と言われていました。ただ、小学校2年生の夏休みに、脳外科医の叔父から100冊本を読んだら、来年遊びに来てもいいと言われ、翌年、読んだ本を100冊リストにして渡してからというもの、以来、本の虫になり、図書室の本を片っ端から読み漁り、毎年200冊ほど読み続けて、慶應大にたどり着きました。大学時代は、図書館で寝泊まりできれば、最高に幸福なのにと思っていました。
4)休日の過ごし方
慶應に来てからというもの、常に仕事に追われて、休日がありません。仕事をしない日というのは、年間で1日くらいでしょうか。息抜きは、仕事の合間にDVDを見るか、Discovery チャンネルで「宇宙」に関する番組を見ることくらいです。
5)塾生に一言
人間の脳ができあがるのは、24-25歳と言われています。それまでの若い時分は、脳が完成されておらず、不安定なため、色々なものに目移りし、バイトからサークルまで、何でも手を出しがちです。僕も若者の御多分に漏れず、体育会競走部に所属しながら、必修以外の語学を何か国語も勉強したり、バイトをしたり、彼女と付き合ったり、手を出し過ぎながら日吉で過ごしました。しかし、陸上競技はシビアな世界です。記録という数字が突きつけられます。自己目標として10秒台で走れればと思って、自己満足で練習をしていましたが、僕の能力では10秒ゼロで走ることはどんなに努力しても無理でした(努力ですべてが叶うわけではないのです)。身長が172cmしかないのに、190㎝になろうとするようなものです。自己満足で走るのも一つの生き方でしょう。でも、僕はもっと自分にしかできないこと、みんながやらないことをしたいと思うようになりました。好きで得意な分野でも一番になるのは至難の業です。まして、好きでも得意でもない分野で努力しても決して一番にはなれません。早く自分の適性(自分が心底好きなもの)を見極めることが大事です(と言っても、かく言う僕は23歳の秋までかかりましたが)。誰もすべてを手にすることはできません。何かを選択するということは、何かを切り捨てる(諦める)ということです。青春が苦いのは、このためです。  もう一言、言わせて下さい。若い時は、才能や能力がすべてを決めると思いがちです。長生きして判ったことは、才能や能力は1割程度しか寄与しないということです。僕の同級生で、才能も能力もある友人や知り合いは一杯いましたが、結局、自分の思いを遂げたのは、諦めないで継続するモチベーション があった者だけでした。結局のところ、継続力が一番大事です。しかし、継続するには《好き》と《モチヴェーション》がなければできません。《好き》も《モチヴェーション》も感情の領域から生まれます。そのため、自分の感情を大事にすることが一番重要なのです。自分を深く掘り下げて、自分は何をやっている時が一番幸福か探って下さい。

【読書推進】教員のオススメ本2019

教員のオススメ本 2019

日時:2019年3月26日~5月25日
場所:日吉図書館1階新着棚前
オススメ本一覧