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日吉メディアセンター(日吉図書館)
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教員のオススメ本
2015年度 第9回
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教員のオススメ本
日吉図書館では、毎年春に新入生に向けて教員からオススメ本を紹介しています。書名をクリックすると所蔵情報を確認できます。ぜひご覧ください。
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2015年度 第9回
理工学部 小菅隼人先生のオススメ本
法学部 大出敦先生のオススメ本
【読書推進】教員のオススメ本2015
理工学部 小菅隼人先生のオススメ本
1)専門分野
英国チューダ朝演劇史,舞踏論
2)担当科目
日吉では英語と文学,矢上では英語と人間科学セミナー,三田では演劇史とゼミを担当しています.
3)先生から一言
感動の1冊に出会うためには,10冊を読まなければいけません.人生を変える1冊に出会う為には100冊を読まなければいけません.とにかく量を読んで下さい.大学生に許された豊かな時間は,その為のものです.
カラマゾフの兄弟
by
ドストエフスキー
請求記号: L@983@Do1@15-1B~5B
ISBN: 4334751067
発行年: 2006-2007
人類が持つことのできた最高の小説です.これを読んでいない人を知識人とは呼べません.この大長編小説は,人生を真面目に生きるために考えるべき問題を次々と提示してくれます.特に,ゾシマ長老による愛をめぐる説教は心にずしんと響きますし,大審問官のエピソードにおいて,ドストエフスキイは神を俎上に載せました.これを読めば,バフチン,小林秀雄,埴谷雄高…と次々に繋がっていきます.私は池田健太郎訳中公文庫版(絶版)を愛読しています.この小説を繰り返し読むことだけに大学生活を費やしてもいいのではないでしょうか.
細雪
by
谷崎潤一郎
請求記号: L@913.6@Ta3@15
ISBN: 412200991X
発行年: 1983
かつて,本塾大学院在学中,授業の後で小池銈先生のお宅で飲み会になりました.先生が大学院生たちに「明治以降,もっとも小説らしい小説だと思うものをあげてごらん」と問いました.私は迷わずこの小説をあげました.溜息が出るほど美しい日本語です.そして,大阪船場を主たる舞台に,四人姉妹がいる情景が絢爛たるパノラマのように広がります.「こいさん,頼むわ―」というフレーズから始まり,主人公の下痢で終わるこの小説を,私は日本語で書かれた最高の小説だと確信しています.ちなみにその時,小池先生はやはり谷崎の「春琴抄」をあげられました.
メルヘンの履歴書―時空を超える物語の系譜
by
宮下啓三
請求記号: B@909@Mi6@1
ISBN: 4766406621
発行年: 1997
昔,一生の間,魔法を使って悪事を重ねてきた魔法使いがいました.この魔法使いは年をとって疲れはて,死ぬ前に何をしたらよいかと必死で考えました.いくら考えても分かりません.しかし,魔法使いには,一緒に考えてくれる友人は誰一人いませんでした.そこにある少年が現われて….詳しくはこの本の218頁以下を読んでください.泣けます.この本を読めば,図書館は宝石箱と化します.著者の故宮下啓三先生は,特にスイスに造詣の深いドイツ演劇史の権威でした.私が心から尊敬する研究者であり,また,目標とする教育者でもあり,折に触れて励ましてくださる慈父のような存在でした.先生の心がこの本に宿っています.
法学部 大出敦先生のオススメ本
1)専門分野
フランス文学。19世紀のステファヌ・マラルメと20世紀のポール・クローデルが専門です。
2)担当科目
フランス語インテンシブ、地域文化論(フランス)、人文科学特論
3)先生から一言
日本の社会全体が効率的なものを志向するようになってから久しいのですが、今の大学生もそういった点では、効率的かどうかが自分の行動の基準の一つになってきていると思います。大学に入るまでも、そして社会に出てからも、効率性の尺度で測られる生活を強いられてきましたし、これからも強いられることになる訳ですが、大学生のうちだけは効率的社会の周縁の遊びの部分で戯れることができる唯一の時期だと私は思っています。そこで私たちを楽しませてくれるのが、読書と思索です。人生に一度ぐらい、存在や虚無といった、効率ということからするとまったく価値がないように思われることを考える時期があってもいいではないですか。そうした知的活動の中心にあってくれるのがメディアセンターです。幸いなことに慶應義塾大学図書館の蔵書数は全国の大学図書館中5位です。ぜひ4年間でこの知の宝庫を使い倒して下さい。
恋愛のディスクール・断章
by
ロラン・バルト
請求記号: B@904@Ba2@2
ISBN: 4622004828
発行年: 1980
この本は、私がフランス文学を志そうと思ったきっかけとなった本の一つです。ロラン・バルトはこの本で古今東西の恋愛論を縦横無尽に駆使し、それを現代的に読み換えて再構築するということを鮮やかにやってのけました。大学1年生だった私はこの本を読んで文学の奥深さに魅せられて、とうとうフランス文学に進んでしまいました。
若き日の詩人たちの肖像
by
堀田善衛
請求記号: K@911.5@H6@1
発行年: 1968
私が1年生に入学した時、近代思想史の授業を担当していた先生が、慶應に入ったのなら、これを読んでおかなくてはならないと強く推薦してくれた本です。第二次世界大戦前、慶應予科に入学した作者の自伝的作品です。慶應はよく自由の気風だいわれますが、その自由を堅持するために私たちの先達がどういうことをしたのかを伝えてくれています。それぞれの文学作品にもし読みどきというものがあるとすれば、これは大学に入った今がまさに読みどきだと思います。
日本の歴史をよみなおす(全)
by
網野善彦
請求記号: L@210@Am1@3
ISBN: 4480089292
発行年: 2005
大学でのテキスト読解は、高校までの鑑賞的なスタイルとは違って、テキストを批判的に捉えるクリティカル・リーディングが求められます。「批判的」というといささか構えてしまいますが、要するに今まで常識だと思って考えてもみなかったことを疑ってみるということです。この本はそうした点からすると、まさに教科書といってもよい本です。目から鱗が落ちる思いがするスリリングな読書体験ができます。
【読書推進】教員のオススメ本2015
教員のオススメ本 2015
日時:2015年3月30日~5月30日
場所:日吉図書館1階新着棚前
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