会期:2016年10月5日(水)~10月11日(火) (終了しました)
会場:丸善・丸の内本店4階ギャラリー (入場無料)
時間:9:00~21:00 最終日16:00閉場
主催:慶應義塾図書館
協賛:丸善雄松堂株式会社
協力:泉鏡花記念館 水木プロダクション
類まれな想像力に言葉を与え、
たしかな質量をもった幻想文学を
次々に生み出した「鏡花の書斎」——
慶應義塾に寄贈された数々の遺品は、
ゆかりの人やモノとの出会いの中で
「幻想」が生まれる瞬間を
さながらに物語る。
肖像写真提供:泉鏡花記念館
10月9日(日)・10日(月・祝)各日14時~
慶應義塾大学名誉教授 松村 友視
慶應義塾大学大学院 文学研究科 後期博士課程 鈴木 彩 富永 真樹
展示会場では、慶應義塾図書館が所蔵する泉鏡花の遺品により、鏡花の書斎を再現しました。
展示会場の復元書斎
(図版は遺品の一部のみ。貼り交ぜ屏風、紫檀の文机、水晶の兎、自筆原稿「化鳥」。)
合巻『偐紫田舎源氏』に描かれた歌川国貞の口絵を貼り交ぜた屏風。六曲一双のうちの半双。
書斎に据えられた鏡花の執筆机。晩年に誂えたものと思われ、両脚の部分に螺鈿で源氏香の図が象眼されている。師尾崎紅葉(1867~1903)への思いを込めて「紅葉賀」の図があしらわれているとされるが、正確には「紅葉賀」によく似た「花宴」の図である。
鏡花が母から贈られたとされる一対の水晶の兎。書斎の文机や脇机の上など、執筆時の鏡花の身近に置かれていた。
明治30年4月『新著月刊』第一号掲載。のちの幻想小説群の起点に位置する。
500冊を超える草双紙類を収めて寄贈された。扉の白桔梗の絵は鏡花本の口絵などを手がけた画家・鰭崎英朋(1881~1968)によるものであり、扉右隅に「戊申之秋 英朋写」とある。「戊申」は明治41年にあたり、明治38年の『続風流線』や明治41年の『婦系図』に口絵を描くなど、この時期の鏡花との関係の深さをうかがわせる。
「註文帳」は、明治34年4月『新小説』掲載。無理心中に失敗した吉原の遊女の一念が霊として現れる。図版上は「註文帳」の自筆原稿で、図版下に対応する部分。図版下は「註文帳」を収める単行本『愛染集』(大正5年10月、千章館)の表見返し。小村雪岱(1887~1940)画。「註文帳」の一場面で、吉原のおはぐろ溝のほとりに立つ遊女の姿を描く。
関東大震災の際、鏡花はかつて父が幼い鏡花のために彫った迷子札をはめ込んだ硯とともに、机の傍に置かれた観音像を持ち避難した。
不気味な乞食集団「応」を描く短編小説。原稿に朱筆を加えた師尾崎紅葉は、末尾で「立案凡ならず、文章また老手のごとし。」と卓抜した発想と技術を評価し、鏡花を「子はそれ我掌中の珠か」と称賛した。
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