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慶應

三田メディアセンター
Mita Media Center

慶應義塾図書館 貴重書展示会

丸善丸ノ内本店ギャラリーで開催している慶應義塾図書館貴重書展示会のご案内です。 ※次回の開催は2026年です。

開催概要

第34回慶應義塾図書館貴重書展示会

「文人の書と書物 ―江戸時代の漢詩文に遊ぶ―」

江戸時代、儒学と呼ばれる学問を修め、その成果を社会に生かそうと政治や教育に携わる一方、
漢詩や書画などの文学/芸術に遊んだ人々=文人がいました。
新井白石・荻生徂徠ほか、森鷗外の史伝の登場人物も含めてその足跡をたどります。

 

 会 期 :2022年10月5日(水)~10月11日(火) (終了しました)
 会 場 丸善・丸の内本店4階ギャラリー(入場無料)
 時 間 :9:00~21:00  最終日16:00閉場 

 

主催:慶應義塾図書館
協賛:丸善雄松堂株式会社
協力:慶應義塾大学附属研究所斯道文庫

展示会の見どころ

 第34回となる今年は、慶應義塾図書館が所蔵する江戸時代の儒学者・漢詩人の自筆本や自筆書簡などを展示します。「文人」とは、儒学を学び、その知識を世の中に役立てようと政治や学問に携わる一方、漢詩や書画など、文学や芸術の分野でも活躍した人々です。そういった人々が残した著作や筆跡類を、全9部に分けて、時代を追って見ていこうとするものです。対象となる主な文人は、林羅山(はやしらざん)、新井白石(あらいはくせき)、荻生徂徠(おぎゅうそらい)、中根東里(なかねとうり)、亀井家(かめいけ)(南冥(なんめい)・昭陽(しょうよう)・少琴(しょうきん))、古賀家(こがけ)(精里(せいり)・侗庵(とうあん)・謹堂(きんどう))、山梨稲川(やまなしとうせん)、安井家(やすいけ)(息軒(そっけん)・小太郎(こたろう))、そして、森鷗外・永井荷風です。三田のみならず、日吉・信濃町のメディアセンター、また関連資料を多く所蔵する慶應義塾大学附属研究所斯道文庫の協力も得て、義塾全体のコレクションから選りすぐりのものを集めました。

 

展示イベント

ギャラリートーク

10月  7日(金)18時~
10月  9日(日)14時~
慶應義塾大学附属研究所斯道文庫長・教授 堀川 貴司

★ギャラリートークを動画でご覧いただけます(2022年10月9日 約1時間)
「文人の書と書物」ギャラリートーク
​     ※図録を見ながら解説を聞くと、より一層楽しめます。
      まだ図録をお持ちでない方は オンライン購入へどうぞ!
   (三田メディアセンターメインカウンターでも販売中)

<参考> 過去の展示会のギャラリートーク動画(展示会の概要については、左側のメニューからご覧いただけます。) 

2021年度   「蒐められた古(あつめられたいにしえ)-江戸の日本学-」         
2020年度 「古代中世 日本人の読書」
2019年度 「究極の質感(マテリアリティ)-西洋中世写本の輝き-」
2018年度 「インキュナブラの時代―慶應義塾の西洋初期印刷本コレクションとその広がり」
2017年度 「古文書コレクションの源流探検-反町十郎、反町茂雄、木島誠三、木島櫻谷、そして…」

 

主な展示資料

【出品番号3】『大蔵一覧集(だいぞういちらんしゅう)』 

慶長20年(1615)刊

徳川家康が晩年に駿河で行った、金属活字を用いた出版、いわゆる駿河版のひとつで、近年図書館に収蔵されたもの。今回が初公開です。家康は、漢籍・和書を幅広く収集し、幕府の蔵書の充実に努めるとともに、このような書物の出版を通して「知」の普及をめざし、武力だけでなく文化においても日本をリードする存在になろうとしました。そういう政策には、林羅山のような幅広い知識を持った学者が必要でした。今回は、古くから収蔵されているもう一つの駿河版『群書治要』と合わせて展示します。
 

【出品番号8】『新井白石日記(あらいはくせきにっき)』 

元禄6年(1693)~享保8年(1723)写

六代将軍家宣のもとで、政治・経済・外交など多方面にわたる改革を推進した新井白石が残した日記。ごく一部に別人の筆跡が混じりますが、ほとんどが自筆です。まだ甲府藩主だった家宣(当時は綱豊)に初めて仕えた元禄6年から始まり、八代将軍吉宗の就任に伴って失脚する享保元年までの公務上の出来事が簡潔に記されています。それ以降の記事はほとんどありません。本書は白石の子孫およびその関係者によって戦前まで所蔵されていたものですが、戦後義塾図書館の所蔵となり、『大日本古記録』に翻刻されました。

 

【出品番号14】『徂徠集(そらいしゅう)』(稿本) 

江戸中期写

荻生徂徠の漢詩文集は、没後門人たちが共同作業で編集を進め、全30巻にまとめて刊行しました。この本は、その編集過程を教えてくれる稿本で、30巻のうち5巻が欠けていますが、別に1巻が義塾図書館に収蔵されていて、合計26巻あります。版本では削除された作品なども収められていて、徂徠研究の重要な資料となっています。もともとは徂徠が仕えていた柳沢吉保(やなぎさわよしやす)の子孫、大和郡山藩主柳沢家に伝来したものですが、江戸後期に個人蔵となり、戦後義塾図書館に収蔵されたものです。なお、欠けている4巻のうち2巻は東北大学附属図書館狩野文庫に現存します。

 

【出品番号35】『侗葊日記鈔(とうあんにっきしょう)』 

江戸後期写

寛政の三博士と呼ばれる幕府儒官のひとり、古賀精里の三男で、父の跡を継いで幕府儒官となった侗庵の日記のうち、文化5年(1808)から文政10年(1827)までの20年分を自ら抄出した本。この間、文化6年に儒者見習として昌平坂学問所に初めて出仕、14年に父の精里が死去して儒者に昇進しています。白石の日記とは異なり、公務以外のさまざまな記事が豊富で、多彩な交友関係が知られます。戦前に義塾図書館に入った大量の古賀家関係資料のうちの一つで、今回は他にも書簡類などをいくつか展示します。

 

【出品番号56】『歳寒堂遺稿(さいかんどういこう)』 

幕末写(斯道文庫蔵)

森鷗外『北条霞亭(ほうじょうかてい)』の主人公である漢詩人北条霞亭の漢詩文を没後養子の北条悔堂(かいどう)が編集したもの。霞亭は備後神辺の儒学者・漢詩人である菅茶山(かんちゃざん)の後継者として私塾を継承し、また福山藩儒として藩に仕えて活躍しました。福山出身の漢学者で近世学芸史の研究も行っていた浜野知三郞(はまのともさぶろう)は霞亭の資料を多数収集していて、それらを鷗外に提供、この本も鷗外に貸し出されていたもので、付箋に鷗外が作品の年代などをメモしています。今回は鷗外が作品のなかで引用している霞亭宛の書簡なども展示します。

展示会図録

過去の展示会と図録の一覧は「慶應義塾図書館貴重書展示会図録」 のページにて一覧/購入できます。

お問合せ先(三田:スペシャルコレクション担当)

慶應義塾大学三田メディアセンター
(慶應義塾図書館)

担当: スペシャルコレクション担当
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TEL: 03-5427-1666 
FAX: 03-5427-1474
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