慶應義塾大学メディアセンター中期計画2006-2010」の行動計画に従い、
・利用者ニーズを把握しサービスの改善をはかる
・次期中期計画を策定する材料を得る
北米研究図書館協会がテキサスA&M大学 と協同開発した有料サービスLibQUAL+®を実施した。
LibQUAL+®は館種や規模の違いを超えて比較可能な指標をもたらす図書館サービス評価ツールであり、
世界ですでに1,000館の実施館がある。
LibQUAL+®の設問構成
・コア設問 22項目
・追加設問 11項目
・回答者に関する設問 5項目
・自由記入欄(コメント欄)
※上記項目に加えて、実施機関ごとにオリジナルの設問を5つ追加することが可能。
設問内容(日本語版)
・質問項目文(テキスト): (コア設問+追加質問のみ)
・点数表イメージ: (コア設問+追加質問+回答者に関する質問)
・ウェブ画面イメージ(入力フォーム):
調査実施時期: 2008年10月6日(月)~11月1日(土)
調査対象者: 全学部正科生(学部生・大学院生)、教職員
依頼方法: 図書館システムに(利用者レコードが有効期限内で)メールアドレス登録がある方に対して
依頼メールを送付(計4回:9/24,10/6, 20, 27)
インセンティブ: 参加賞 慶應グッズ891点
謝礼品 ・5名に1万円分のiTunes® / コーヒーショップ / 図書カードから1つ
・45名に1,000円分の図書カード
慶應義塾大学メディアセンターでは、図書館サービス品質評価のための利用者調査アンケート
”LibQUAL+®(ライブカル)”を2008年10月6日~11月1日に実施いたしました。
おかげさまで多数の回答を頂戴することができました。 ご協力いただき誠にありがとうございます。
今回の調査結果は、図書館サービスの改善・向上に活用させていただきます。
実施結果第1弾を以下に公開いたします。
* LibQUAL+®(R)(ライブカル)は米国で開発されて世界中で約1,000の図書館が使っています。
日本では、慶應義塾大学が日本語に翻訳したものが使われています。
2008年に初めて、日本から慶應義塾大学を含む3つの大学図書館が参加しました。
・回答状況は以下のとおりです。
メール送付数: 36,548種のメールアドレス(34,575人)に送付
回答数(回答率): 5,905件の回答(17.1%)中、5,600件(16.2%)が有効回答
コメント数: 3,442件(回答中58.3%)
・回答者の内訳は以下のとおりです。
LibQUAL+®では、サービスに関する22のコア設問について、許容できる最低限のサービスレベル、
望ましいレベル、実際のレベルの3種類のレベルについて、1~9の点数をつけてもらいました。
・レーダーチャートでは、それぞれのコア設問について、許容範囲(最低限~望ましい)と実際のレベル
の関係で差分の区域が色分けされています。
(青)は実際のレベルが最低限を上回っていることを、(黄色)は実際のレベルは望ましいレベルより
は低いことを示しており、すべての設問において実際のレベルが許容範囲の中にあることを表しています。
・バーチャートでは、同様の内容を、設問の3つの側面別にバーチャートで示しています。
許容範囲が(グレー)の帯、最低限から実際のレベルまでが(オレンジ)の帯です。
下の表に、3つの側面別と全体のスコアの平均値が示されています。
3つの側面の中では、「資料の管理」について、望ましいレベルのスコアが一番高く(7.77)、
最も期待度の大きな側面であることが確認できます。
・同時期に参加した世界の大学図書館166館の平均と比較すると、望ましいレベルのスコアが全般的に低く
(慶應7.55<大学図書館7.92)、期待が低めであることがわかりました。
・利用者グループ別の結果では、唯一182名の職員の方の回答中で、以下の2つの設問について、
実際のレベルが許容範囲を下回りました。
(赤)は実際のレベルが最低限を下回っていることを示しています。
IC1-自宅または研究室からデータベースや電子ジャーナルなどの電子資源にアクセスできる
LP5-グループ学習や共同研究のためのスペースが整っている
・望ましいレベルのランキングをもとに、期待度の高いサービスが何かを確認したところ、
全体では「情報」および「場」への期待が高いことがわかりました。
・利用者グループ別では、学部生では「場」に、大学院生・教員・職員では「情報」に期待が集まっている
ことが確認され、異なるニーズへの対応が求められていることが裏付けられました。