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オープンアクセス論文を探す・公開する

ハゲタカジャーナル/出版社/学会とは?

ハゲタカジャーナル

オープンアクセスの出版モデルを悪用して、著者から論文投稿料を得ることを目的とし、適切な査読を行わない粗悪な学術誌のことです。ハゲタカジャーナルに投稿した場合、研究者はもちろん所属するコミュニティの研究業績評価を著しく貶めることにつながります。

ハゲタカ出版社

ハゲタカジャーナルを出版する出版社です。有名雑誌を模倣したロゴや誌名を使用し、高名な専門家を無断で編集者にリストしたり、偽のインパクトファクターをWebサイトに掲載し、研究者を安心させ、審査前に料金を請求します。

ハゲタカ学会

研究者からの料金徴収をビジネスモデルとして、時には急に中止になるようなずさんな学会運営を行います。中には、ハゲタカジャーナルの出版元となる場合もあります。

ハゲタカジャーナル・出版社・学会に関与することは、研究者のキャリアにとってマイナスでしかありません。自分自身だけでなく、所属するコミュニティの研究業績評価を著しく貶めることにつながります。特にCorresponding Author等で連絡先を公開する必要がある研究者は、ハゲタカ出版社・学会の誘惑から自衛する必要があります。下記の情報源やチェックリスト等を用いて、文献を引用・発表・投稿する段階から、粗悪な雑誌・出版社・学会を見分け、質が高い雑誌や論文を選択する習慣を身につけましょう。

ハゲタカジャーナルに投稿/学会に参加するとどうなるの?

ハゲタカジャーナルに投稿したり、ハゲタカ学会に参加した場合、研究者にとって多くのデメリットがあります。

  • 正規の研究として認められず、学術文献データベースに収載されない可能性が高い。
  • 正規の学術情報の流通ルートに乗らず、業績としてもみなされない。
  • 編集プロセスを経ない未完成な成果がGoogleなどで広まる。
  • ハゲタカジャーナルに投稿したという事実とあわせて、研究者としての評価を落とす可能性がある。
  • 突然の閉業や学会中止、不安定なサーバーなどで長期的なアクセスが約束されない。
  • 撤回に応じてくれないケースがあり、その場合には、二重投稿となり、他の雑誌に投稿できない。
  • 当初提示されたAPCよりも高額な請求を受けた事例あり。学会中止であっても返金されない等。

ハゲタカ学会に参加した研究者の事例が毎日新聞(毎日新聞 "ハゲタカ学会:ハゲタカ学会オンライン化 コロナで増加、安易な参加に警鐘" 2021.06.26 東京朝刊 29頁 総合面)に掲載されています。オンライン開催で手軽に国際学会の業績があげられる現状において、被害も増えていますので、一段と警戒が必要です。

健全なオープンアクセスジャーナルであることを確認するためのサイト

オープンアクセス誌に限らず、学術誌は、雑誌評価データベースで各分野における信頼度を確認できます。雑誌を探す場合には、タイトル名だけでなく、ISSN(国際標準逐次刊行物番号)も意識しましょう。厳格な要件を満たしたオープンアクセスジャーナルや出版社のみを掲載したWebサイトもあります。以下のようなサイトを複数チェックすることでご自身の研究に適した雑誌や学会をお探しください。

雑誌評価データベース

オープンアクセスや学会のディレクトリ

ハゲタカジャーナル/学会の被害を防ぐには?

ハゲタカジャーナルに関わらないために -論文投稿時のチェックリスト-

  • その雑誌は DOAJ で検索できますか?
  • また出版社は COPE や OASPA に所属していますか?
  • その雑誌のWebサイトに出版社名や出版社の連絡先が明記され、実際に連絡が取れますか?
  • その雑誌の査読プロセスを把握していますか?
  • その雑誌は Web of Science や Scopus で索引され、現段階でも継続していますか?
  • その雑誌の手数料に関する詳細が確認できましたか?
  • その雑誌の編集委員を知っていますか?またその研究者が確かに編集委員である裏付けが取れていますか?
  • 同僚や研究仲間はその雑誌を知っていますか?

さらに詳細は、チェックリスト(Think. Check. Submit)を参照ください。

ハゲタカ学会に関わらないために -学会参加時のチェックリスト-

  • 会議を主催している学会や協会を知っていますか?またその主催者は、COPE、DOAJ、OASPAに所属していますか?
  • この会議が開催されるのは初めてですか?
  • 講演者として受け入れられた場合、登録料などは免除されますか?
  • 会議のウェブサイトには、すべての情報(出席料、提出日、会議日、編集委員会、プログラムの詳細、会場など)が適切な方法で提示されていますか?
  • 会議のスケジュールと議題について明確な情報はありますか?
  • 会議録の公開先について明記がありますか?

さらに詳細は、チェックリスト(Think. Check. Attend)を参照ください。

昨今のハゲタカ出版社・学会の手口は巧妙化しています。発行するジャーナルがDOAJに掲載されていたり、インパクトファクターが高かったりするなど、チェックリストに沿っているように見えても、 研究者に査読依頼メールを大量に送付し、安易にエディターとして勧誘するような、疑わしい姿勢の出版社が残念ながら存在します。本人に無断でその分野の著名な研究者をEditorial Boardや学会の基調講演者として掲載しているケースもあります。
出版社・学会選びには細心の注意が必要といえます。メディアセンターにご相談いただければ、調査の上、判断の材料となる情報を回答します。