ハゲタカジャーナル
オープンアクセスの出版モデルを悪用して、著者から論文投稿料を得ることを目的とし、適切な査読を行わない粗悪な学術誌のことです。ハゲタカジャーナルに投稿した場合、研究者はもちろん所属するコミュニティの研究業績評価を著しく貶めることにつながります。
ハゲタカ出版社
ハゲタカジャーナルを出版する出版社です。有名雑誌を模倣したロゴや誌名を使用し、高名な専門家を無断で編集者にリストしたり、偽のインパクトファクターをWebサイトに掲載し、研究者を安心させ、審査前に料金を請求します。
ハゲタカ学会
研究者からの料金徴収をビジネスモデルとして、時には急に中止になるようなずさんな学会運営を行います。中には、ハゲタカジャーナルの出版元となる場合もあります。
ハゲタカジャーナル・出版社・学会に関与することは、研究者のキャリアにとってマイナスでしかありません。自分自身だけでなく、所属するコミュニティの研究業績評価を著しく貶めることにつながります。特にCorresponding Author等で連絡先を公開する必要がある研究者は、ハゲタカ出版社・学会の誘惑から自衛する必要があります。下記の情報源やチェックリスト等を用いて、文献を引用・発表・投稿する段階から、粗悪な雑誌・出版社・学会を見分け、質が高い雑誌や論文を選択する習慣を身につけましょう。
ハゲタカジャーナルに投稿したり、ハゲタカ学会に参加した場合、研究者にとって多くのデメリットがあります。
ハゲタカ学会に参加した研究者の事例が毎日新聞(毎日新聞 "ハゲタカ学会:ハゲタカ学会オンライン化 コロナで増加、安易な参加に警鐘" 2021.06.26 東京朝刊 29頁 総合面)に掲載されています。オンライン開催で手軽に国際学会の業績があげられる現状において、被害も増えていますので、一段と警戒が必要です。
オープンアクセス誌に限らず、学術誌は、雑誌評価データベースで各分野における信頼度を確認できます。雑誌を探す場合には、タイトル名だけでなく、ISSN(国際標準逐次刊行物番号)も意識しましょう。厳格な要件を満たしたオープンアクセスジャーナルや出版社のみを掲載したWebサイトもあります。以下のようなサイトを複数チェックすることでご自身の研究に適した雑誌や学会をお探しください。
雑誌評価データベース
オープンアクセスや学会のディレクトリ
ハゲタカジャーナルに関わらないために -論文投稿時のチェックリスト-
さらに詳細は、チェックリスト(Think. Check. Submit)を参照ください。
ハゲタカ学会に関わらないために -学会参加時のチェックリスト-
さらに詳細は、チェックリスト(Think. Check. Attend)を参照ください。
昨今のハゲタカ出版社・学会の手口は巧妙化しています。発行するジャーナルがDOAJに掲載されていたり、インパクトファクターが高かったりするなど、チェックリストに沿っているように見えても、 研究者に査読依頼メールを大量に送付し、安易にエディターとして勧誘するような、疑わしい姿勢の出版社が残念ながら存在します。本人に無断でその分野の著名な研究者をEditorial Boardや学会の基調講演者として掲載しているケースもあります。
出版社・学会選びには細心の注意が必要といえます。メディアセンターにご相談いただければ、調査の上、判断の材料となる情報を回答します。
Larissa Shamseer.,et al.(2017)
Potential predatory and legitimate biomedical journals: can you tell the difference? A cross-sectional comparison.
Shen Cenyu.,et al.(2015)
'Predatory' open access: a longitudinal study of article volumes and market characteristics.
Jingfeng Xia.,et al.(2014)
Who publishes in "predatory" journals?