今年は20年毎に行われる紙幣改刷の年にあたり、40年間親しまれてきた一万円札の顔も、福澤諭吉から渋沢栄一へと交代しました。全種類の紙幣の顔が一斉に変更されたのは久しぶりですが、一体どのような人物が紙幣の顔となってきたのでしょうか。また、キャッシュレス決済が広く普及している今日において、約2か月間に渡って行なわれるこの展示期間中、果たして新紙幣はどの程度流通するのでしょうか。
この度の展示は新紙幣発行を記念し、福澤諭吉を中心に歴代の紙幣の顔となった人々やデザインにまつわる様々な資料を展示します。また、硬貨の原料であった金・銀に関連した資料や、江戸時代に実際使われていた小判や藩札を含む古金銀貨幣コレクション、海外のコインカタログともいえる和洋の資料、お金をモチーフとした物語や風刺画など、貨幣の歴史に関する資料と併せ、初代図書館長の野村兼太郎、次期図書館長の高村象平(どちらも経済学部教授)による貨幣や銀行に関する雑誌記事の原稿なども展示します。
Now and then(時々)というには20年は少々長いですが、様々な展示資料を通して貨幣にまつわる今(now)、そして昔(then)に思いを馳せていただけますと幸いです。
主な展示資料:
・『学問のすゝめ』 初編 福澤諭吉著 初版 明治5(1872)刊 【前期】
・『慶應義塾紀事』福澤諭吉著 明治16(1883) 1巻 【後期】
・「尚商立国論」 原稿 福澤諭吉 自筆原稿 明治23(1890) 1巻 【後期】
・「慶應義塾之目的」書幅 福澤諭吉 明治29(1896) 紙本墨書 1幅【前期】
・福澤諭吉遺品 散歩用ステッキ【前期】、散歩用履物【前期】、杖床【後期】
・渋沢栄一自筆書簡【前期・後期】
・岩倉具視、伊藤博文自筆書簡【後期】
・『東京名所之内 海運橋第一国立銀行』歌川広重(三代)万屋孫兵衛 【前期】
・古金銀貨幣コレクション 江戸時代【前期・後期】
・『津田塾六十年史』 東京:津田塾大学 1960年 1冊 【前期・後期】
・『実習細菌学 : 細菌図面 . 附録』 浅川範彦 編 ; 高木友枝 補 ; 北里柴三郎 閲 明治32年(1899)1冊 【前期・後期】
・『佐州砂金山図(佐州金銀山図)』彩色 絵巻 [江戸後期] 3軸 【前期・後期】
・『南鐐二朱銀の流通について』原稿 野村兼太郎 昭和21年(1946)(自筆)【前期】
・『英国東洋銀行略史』原稿 高村象平 昭和14年(1939)(自筆)【後期】
・Ruding, Rogers A supplement to the Annals of the coinage of Britain, &c.
(ルーディング『グレート・ブリテンならびに属領国の貨幣年代記の補遺』), 1819 【後期】
2024年7月8日(月)~ 9月21日(土)
前期:7月8日(月)~8月6日(火) 後期:8月20日(火)~9月21日(土)
平日 9:00-18:20
土曜 9:00-16:50
休室日:日曜・祝日(除:7月15日)、8月7日(水)~8月19日(月)
※一般の方もご見学いただけます(入場無料)
慶應義塾図書館 1階展示室 [三田] 交通アクセス
東京都港区三田2-15-45 慶應義塾大学キャンパス内
三田メディアセンター展示委員会