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慶應義塾大学リサーチナビ

著作権について知る

著作権とは

著作権法とは、「文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、もつて文化の発展に寄与することを目的とする」法律です(著作権法第一条)。
メディアセンターで所蔵する資料やデータベースは、著作者や提供元の権利に配慮しながら皆さんにご利用いただいています。
このガイドでは、研究・教育・学習で必要な著作権について説明します。


※このガイドは慶應義塾所属者向けに作成されています。

どんなモノが守られる?

著作権で守られる対象(=著作物)は、「思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」となります(著作権法第2条1項)。著作権法第10条に例示されているものだけでなく、創作性があれば全て著作物と考えるほうがよいでしょう。また、以下も著作物となります。

◆特別な著作物
・二次的著作物 (翻訳書、小説の映画化、編曲など)
・編集著作物 (百科事典など、編集物で素材の選択又は配列によって創作性を有するものなど )
・データベース

なお、以下は著作物として認められていないものです。
◆著作物として認められていないもの
・憲法そのほかの法令(地方公共団体の条例、規則も含む。)
・国や地方公共団体又は独立行政法人の告示、訓令、通達など
・裁判所の判決、決定、命令など
・上記の翻訳物や編集物で国や地方公共団体又は独立行政法人の作成するもの
 これらは、著作権法の制限なく自由に利用できます

どのように守られる?

著作者の権利は、人格的な利益を保護する著作者人格権と財産的な利益を保護する著作権(財産権)の二つに分かれます。基本的には、著作者が著作権者(著作権の権利を持つ人)となります。財産権としての著作権については、譲渡・相続が可能です。著作者が死亡した後、相続人がいる場合には権利の一部が引き継がれ、著作権者となります。
大学での学びや図書館に関係が深い財産権としての著作権は、以下となります(著作権法第18~28条)。

・複製権:著作物を印刷、写真、複写、録音、録画などの方法によって有形的に再製する権利
・公衆送信権:公の伝達権 著作物を自動公衆送信したり、放送したり、有線放送したり、また、それらの公衆送信された著作物を受信装置を使って公に伝達する権利
・翻訳権・翻案権など:著作物を翻訳、編曲、変形、翻案等する権利(二次的著作物を創作する権利)
・二次的著作物の利用権:自分の著作物を原作品とする二次的著作物を利用(上記の各権利に係る行為)することについて、二次的著作物の著作権者が持つものと同じ権利

いつまで守られる?

著作者の死後70年までが原則となりますが種類により異なります。保護期間中でもその著作権者の相続人がいないときは著作権は消滅します。保護期間の計算は、死亡、公表、創作の翌年の1月1日から起算されます(著作権法第51~54条)
なお、日本での著作権の保護期間は2018年12月30日の改正法施行日までは原則として著作者の死後50年でした。当面は保護期間が異なる著作物が混在するほか、そのほかの例外があります。

◆保護期間
・著者が本名もしくは周知のペンネームなどによる著作物:死後70年
・著者不明、もしくは変名の著作物 :公表後70年(死後70年経過が明らかであればそのときまで)
・団体名義の著作物:公表後70年(創作後70年以内に公表されなければ、創作後70年)
・映画の著作物:公表後70年(創作後70年以内に公表されなければ、創作後70年)

参考)著作物等の保護期間の延長に関するQ&A

著作権者に許可なくできること

著作権法では、文化の発展や公共の利益のために、著作権を制限して著作物を自由に利用できる場合があることが定められています。しかし、なんでも自由に利用できるわけではなく、法律で厳密に決められた条件があります。

参考)著作物を自由に使える場合とは?(著作権情報センター作成)

著作権全般についてのよくある質問

Q. 自分が執筆した論文の著作権はどのようにしたら得られますか。

A. 著作権、著作物が創作された時点で自動的に発生するため、登録を経ることなく著作権が発生します。
学生が執筆したレポート類も、著作権法上著作物として認められます。友達が書いたレポートを勝手にインターネットなどで公表したり、出所を明らかにせずに引用することは著作権侵害となるので気を付けましょう。
 

Q. 著作権者の許諾が必要な場合、どのような手順を踏めばよいでしょうか。

A. 著作物の正しい利用方法(文化庁作成)をご参考ください。
なお、出版者が著作権者である場合は、出版者ウェブサイトなどから問い合わせが可能なケースが多いです。
また、著作権管理団体を通じた申請を求められるケースもあります。たとえば、欧米の大手出版社の場合、著作権管理団体の Copyright Clearance Center の Rightslink®サービスを通じて許諾申請をすることがあります。

慶應義塾メディアセンターでは、著作権許諾の代行業務は行っておりません。ご自身で手続きを行うようお願いしています。
 

Q. 自由に利用してよいと著作者と口約束した資料は、誰にも許諾なしに利用できますか。

A. 著作者=著作権者とは限らないことに注意しましょう。
著作物の自由な利用を迅速に行うために、著作者自らが、著作物にクリエイティブコモンズや自由利用のマークを付けて発表することが増えてきました。このようなマークがついた著作物は、マークの使用条件に従って使用することができます。
注意すべきなのは、著作者が必ずしも著作権者ではない場合があるということ。著作者との口約束で自由利用が認められたとしても、実は、著作物を掲載した雑誌の出版社に著作権が譲渡されている場合があります。また、複数著者が存在する製作物の場合には、関係者全てが著作権者となるため、全権利者への許諾が必要となります(映画著作物など例外あり)。